アカペラ教室02

前回の《アカペラ教室》は「メンバー集め」についてお話ししました。
その中で、”楽譜の読み書きができる人を最低1名は確保したい”ということをお伝えしましたが、もしや、他の人は理論をまったく知らなくていいと思っていませんか?

いくらアカペラが場所を選ばす、機材も用意せず、お手軽に始められる音楽活動はいえ、「音楽を始める」ことには変わりありません!

確かに歌自体は、譜面が読めなくても、まったく音楽理論を知らなくても歌えますが、それはカラオケ程度の話です。

たとえアレンジを誰かに頼んでも、それをどうやって”記録”しておきますか?

数曲なら”記憶”しておくことも可能でしょうが、数十曲となったら?

譜面も誰かに書いてもらったとしても、結局読めなくては困りますよね。
誰か一人にだけ負担を押し付けていては、一緒に音楽を楽しむことも難しくなってしまいます。

何もかもができなくても、自分のできることとすべきことには責任をもたくなくちゃ!
今回は、「メンバー全員が最低限出来なくてはならないこと」についてお話しします。



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簡単な譜面の読み書きをマスターする

声に出して譜面を読む

最初は既製の譜面やどこかのグループが歌ったものを練習するかもしれませんね。その場合でも、譜面が読めなくてはいちいち誰かに歌ってもらわなくてなりません。

大人数のコーラスや合唱グループならそれほど困ることはないでしょうが、アカペラグループでは一人の役割はとても大きいですから、せめて自分の歌うメロディーくらいは自分で読み書きできるよう練習しましょう。

大丈夫です!難しい楽典の本を開くことはありません。
私たちにとっての楽器は”声”です。
音符を声に出して読んでいきましょう。

4分音符を「イチトウ」、8分音符はその半分の「イチ」、16分音符はさらに半分の「イ」と考えれば簡単です。
 4分音符が2つ並んでいれば「イチトウ・ニイトウ」
 8部音符が3つなら「イチ・トウ・ニイ」
 16分音符が4つなら「イ・チ・ト・ウ」と長さを理解できます。

慣れたら声に出してリズムを歌えるように練習しましょう。まぁ、習うより慣れろって感じです(^ω^)
最初は「イチトウ…」で確認し、その後は「ターン(タン)」で読んでみましょう。

休符も「ウーン(ウ)」と声に出してください。
実際は休符も歌います!ただの空白なのではなく、そこには確かな時間があります。とくにリズムの場合は、休符を含めた規則性がリズムになります。

適当なメロ譜を見つけて、とにかく読みまくってみましょう。

オールヒットソング2018年版

◎音楽系の雑誌やいわゆる”歌本”の中にコードとメロディーが書かれた譜面が載っていると思います。
まずは、音程を付けず、リズム譜として読む練習をしましょう!
最初は、よくわからないところはとばしてもOKです。読めそうなものから慣れていきましょう。

どんなに複雑そうに見えても、ボーカルが歌えるのは16分音符までです。「イチトウ」のどれかには当てはまります。

楽譜の読み方が分からなればネットで調べてください。メロ譜程度なら「拍子」「調性」「音符の長さ」「進行記号」が分かれば十分です。あとは”タイ”や”付点”の意味が分かれば誰にでも読めます。

楽譜の読み方が分かるサイト

声に出しながら譜面(音符)を書く

読むことに慣れてきたら、次は書けるようにすること!

譜面を書くなんて…
と、怖気づいてはいけませんよ。作曲をするわけではありませんし、ピアノの譜面を書くわけでもありません。
自分が歌うメロディーを書くだけです。音を記録しておける便利な記号だと考えましょう(^▽^)/

それでは、次の2小節分の符割を書いてみてください。

ターン|(ウン)タン|タタ(ウ)タ|ターン
ウーン|(ウ)ターン|タンタン|(ウン)タタ

ちょっと親切に4分音符ごと区切っておきましたが、一定のテンポでスラスラ読めましたか?テンポは一定であれば遅くても構いません。

4分音符(休符)、8分音符(休符)、16分音符(休符)と付点8分音符が使われています。ここでは”タイ”は使っていませんので簡単ですね。

そろそろ書けましたかね?
書けた人はスクロールしてください。

符割読み

慣れるまでは4分音符刻みで書けるものからが良いです。
16分音符も問題なく読み書きできるようになったら、”タイ”を含む符割の読み書きに挑戦しましょう。

コードを理解する

ABCboard

コードの前に度数を学ぼう

度数というのものをご存知ですか?
度数とは“音と音の隔たりの単位”で、音程を数える単位のことです。コードを理解するために、まずは面倒でも度数を理解することから始めてください。

作曲や編曲ができるほどの楽典が理解できなくてOKですが、簡単なコードを耳コピできるくらいの能力は必要です。

さあ!面倒くさがらずに、まずは度数から始めましょう!

度数には以下のものがあります。

 「短度数(minor)」…2度、3度、6度、7度
 「長度数(Major)」…2度、3度、6度、7度
 「完全度数(Perfect)」…1度、4度、5度、8度
 「増度数(Augment)」…1~8度
 「減度数diminish」…1~8度

Cメジャースケール上の度数を覚える

C(ド)の音を基音としたドレミファソラシドの度数次の通りです。

  • ド-ド…完全一度(P1)
  • ド—レ…長2度(M2)
  • ド—ミ…長3度(M3)
  • ド—ファ…完全4度(P4)
  • ド—ソ…完全5度(P5)
  • ド—ラ…長6度(M6)
  • ド—シ…長7度(M7)
  • ド—ド…完全8度(P8)
度数

とりあえずこれは暗記してください!
1,4,5,8度が完全度数、2,3,6,7度が長度数ですから簡単でしょ!?

次に長度数が半音広くなると増度数、狭くなると短度数、完全度数が半音広くなると増度数、狭くなると減度数であることを覚えます。(※増度数がさらに広くなると”重増”、減度数がさらに狭くなると”重減”と呼ぶ。) 

度数2

長3度である度数が半音狭くなれば短3度 (例:C—E♭)
完全5度である度数が半音広くなれば増5度 (例:C—G#)
完全8度である度数が半音狭くなれば減8度 (例:C—オクターブ上のC♭)
といった具合です。

長短度数になる2,3,6,7度が完全度数になることはなく、また完全度数であること1,4,5,8度が長短度数になることはない!

要は、完全2度や完全6度、長4度や短5度という度数は存在しないということです。

長短度数は二音を入れ替えると長短が逆になりますが、完全度数は完全度数のままです。
長3度である”ド(C)—ミ(E)”の音を逆にすると”ミ(E)—ド(C)”となり、これは短6度になりました。完全4度である”ド(C)—ファ(F)”の場合、ひっくり返した”ファ(F)—ド(C)”は完全5度です。完全度数は完全度数のままということでPerfectと呼ぶ訳です(^_-)-☆

Cのメジャースケール上で覚えた度数は半音(E-FとB-C)をいくつ含んだ状態でその度数だったかを覚えておきます。

  • 長2度、長3度は半音を含まなかった
  • 完全4度、完全5度は半音を1つ含んでいた
  • 長6度、長7度は半音を1つ含んでいた

この条件を基に他の度数を考えれば良いだけです。

たとえば「G#—D」なら何度?(思考を追ってみます)

① まずは「G—D」で考え、G-A-B-C-Dで5度と判明
② 「G—D」は半音(B-C)を1つまたぐ
③  自分が覚えた5度も半音を1つ含んでいた完全5度
④ 同じ条件だから、これも完全5度だ!
⑤ 最後にGに#がついていることで二音間は広くなったか狭くなったかを考える
⑥ “狭くなった”から完全5度が狭くなって「完全→減」
⑦ 「G#—D」の度数は「減5度」と判明

♯や♭がつくことで一気に難しく感じますが、そんなのは取ってしまえばいいのです。白鍵だけで考えれば簡単ですから。
あとは暗記したCメジャーの度数の条件(半音をいくつ含むか)と照らして考え、最後に♯や♭で広くなったか狭くなったかを考えれば答えは出ます。

度数が一通り理解できたら、コードの構成音を理解しやすくなります。
例えば、メジャーコードは「長3度と完全5度」、マイナーは「短3度と完全5度」など。7thやテンション系も「短7度なら〇7、長7度なら〇M7」ということがわかります。コードについてはまた追々詳しく説明します。

すぐにできない、わからないと諦めちゃダメですよ。
何事も土台、基礎が肝心です。最低限知るべき音楽理論だと観念して勉強してください。

調性コード進行については「アカペラアレンジをするための準備」を参照してください。

知っておきたい理論のまとめ

  • 音符(リズム譜)を声に出して読めるようにする(音程を付けなくても良い)
  • 自分の歌うメロディーくらいは譜面に書けるようにする
  • コードを覚える前に度数を理解しておく

譜面は記録であり、大切な設計図です。曲数が少ないうちはいいですが、数十曲をすべて暗記なんて絶対に無理です。

歌メロはせいぜい16分音符までですから、ちょっと複雑に思えるメロディーでも、先ほどの「イチトウ」に当てはめれば一小節で最大16個の音符のどこかに当てはめることができます。
三連符だとしても、歌は一拍三連、または二拍三連くらいしかありません。

“楽器を使わない=音楽理論は不要”ではありません。
簡単なコード程度はピアノで弾けたり、譜面で書けるようにはしたいものです。

クラシックの譜面が読み書きできなくても、メロ譜くらいは誰にでも読み書きできますから、焦らず諦めずにコツコツ練習してください。

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