アカペラアレンジをするための準備として「構成譜」を作っていただきました。
構成譜にはちゃんと曲のサイズと構成、コードが書かれていますか?

曲(譜面)の最初から順に作って行くのも良いですが、「選曲」の時にいろいろとアイディアを出したと思うので、先にそちらから手を付けてみるのもありです。どうしてもアレンジを始めると、少しでも早く先に進みたくなります。

隙間をどんどん埋めていくことに快感を覚えてしまうと、ここぞという見せ場をスルーしてしまったり、単調でつまらないコーラスをつけてしまうことがあります。
また、最初から気張り過ぎて、シンプルでいい部分まで複雑にし過ぎてしまうこともあります。そうならないためには、初めに“見せ場”や“聞かせ所”を先に決めておくという方法が有効です。

そんな “見せ場”や“聞かせ所” ではどんなアレンジをするべきか。
今回は、コーラスパートのアレンジで参考になりそうなコーラスパターンを紹介したいと思います。



~スポンサーリンク~

基本的なコーラスの付け方

chorus

ハモリのパターン(種類)

コーラスとは、メインボーカルをサポートする「バッキング・ボーカル」のことです。
一般的には複数人で歌う合唱、または曲の主題部分を指したりもします。合唱団の場合は、1つのパートを複数人で歌いますが、アカペラでは1人が1つのパートを歌うので、和音(コード)を作りたければ2~3名がコーラスを担当することになります。ここでは、一旦アカペラに限定せず、基本的な「コーラスの付け方」をまとめておきます。

アーウー系コードハモリ

アカペラやコーラスでよく聞くハモリで、ルート+3度+5度などコード音をそのままを歌うハモリパターンです。

バンドではコード感の少ない部分に、主メロを邪魔しないように「ハー」や「ウー」などという音で入れます。
主メロに対してのコードガイドの役割と、曲想を演出する背景的役割があります。

アカペラの場合はコード進行を見せるために多用することになり、コーラス担当が終始このハモリ方ばかりすることがあります。
このハモリにより曲自体は安定しますが、あまり入れ過ぎると曲の個性を失い、つまらないアレンジになるので注意してください。

同じ歌詞を歌う「字ハモ」

印象的な言葉やフレーズ、特に歌詞を強調したい場合に用いるのが、同じ歌詞を歌う「字ハモ」です。

歌詞がはっきり聞こえないと意味がないので、リード+1パート、せいぜい+2パートくらいがベストです。
歌詞が濁ってしまうし、主メロが薄れる可能性があります。
リードも、どこで字ハモが入ってくるか自覚しておく必要があります。

複雑な歌詞を複数人で歌うと、返って言葉が聞き取りづらくなることがあります。
皆で字ハモをすることによって各々が表現することになるので、完璧にハモることができれば感動的なハーモニーになります。
ハモリに自信があるような全員字ハモにするのも一つの方法ではあります。

メロディアスな主メロに有効な「平行(並行)ハーモニー」

「字ハモ」のときにも、このハモリ方をすることが多いと思います。
“ドレミファ~”に対して“ミファソラ~”のように、主メロにぴったり添って3度や5度上(または下)で歌うハモリパターンです。オクターブ違いもこれに含みます。

このハモリ方がもっとも一般的な“ハモリ”で、上手にハモれればとてもきれいに聞こえます。
でも、やり過ぎは禁物です!バッキングボーカルとして、1人がつく分には長めに付けても問題ないですが、複数人では本当に合唱のようになってしまいます。外れると目立つし、バックが強いとガチャガチャして聞こえます。

あと、このハーモニーはスケール上の連続した音階に向いているので、上がり下がりが激しいメロディーや、5度以上の飛躍音を含むメロディーでは有効ではありません。レンジの広いメロディーにつける場合は、全パートがメロディアスなラインを取ることはできないので、かなり複雑なラインになることを覚悟しましょう。

決まればカッコいい「裏メロ」

主メロと同時に歌う、主メロとは異なるメロディーのことを「裏メロ」といいます。
楽器で演奏されているもののほうがイメージしやすいでしょう。よくバイオリンやサックス、ギターやピアノなどが主メロの裏で演奏(オブリガード)しています。

主メロが細かい符割の時はやや大きめ、主メロが大きなメロディーときは裏メロは細かい符割にするのが良いでしょう。
但し、失敗するととにかくゴチャゴチャになります(^_^;
この裏メロの目的は何かを理解して、主メロを侵さないように歌うのがコツです。

一体感が際立つ「 追っかけ」と「コール&レスポンス 」

追っかけとは、文字通り歌詞やメロディーを追いかけるように歌う方法。
コール&レスポンスは、とくにゴスペルの典型的な歌唱法で、リードが呼びかけコーラスがそれに応えるような唱法です。

どちらも、リードとコーラスの一体感が出せるコーラスアレンジです。

細かいリズムを出すなら「ピチカート系コーラス」

本来「ピチカート」とは、バイオリンの弦を指で弾く奏法のことを指します。
一般コーラスでは使いませんが、アカペラではリズムを優先したいときに“Tun(トゥン)”や“Pun(プン)”という音で歌います。

「アーウー系」と違い、とても母音が短いのでドンピシャで当てないとハモリません。それ以前に、あまり強く音程が現われないので慣れないとハモリにくいと思います。しっかり練習してください。

私たちはコード進行以上にリズム重視でアレンジしているのでもっぱら「ピチカート系」ですね。おかげで音がいつも散らかってしまいキーを維持するのが大変です( ;∀;)
「アーウー系」でもベタハモはほとんどしません。そもそも2音じゃコードにもならないので、「ハー」と歌っていても、裏メロのようなメロディアスなラインやコーラス同士で追っかけなんかもしています。いくつかのパターンを組み合わせたちょっと変化球!?的なコーラスが多いです。

この他に、トランペットなどの管楽器を模した「パッパラ系」やコード音をずらして重ねていく「ベルトーン」などもアカペラではよく使われます。

コーラスの用途

teamplay

“何を強調したいか”という目的をはっきりとさせることがコーラスを上手につけるコツです。
歌詞を強調したい、主メロを強調したい、コード進行を強調したい、ベースラインを強調したい。または、動的な動きを出したい、広がりを見せたい、緊張感を出したい、などです。
それでは、コーラスの用途を少し整理してみたいと思います。

「字ハモ」で言葉や歌詞を強調

タイトルになっているフレーズや、その曲で大事な歌詞などを強調したい場合に使います。
そのため、変な所で字ハモを入れてしまうと違和感を感じさせてしまいます。
書き文字なら、太文字やアンダーラインを引いて強調していると考えてください。

メロディアスなフレーズなら平行ハーモニーでつけると思います。
この場合、主メロが弱まらないようにバックは柔らかい音で薄めに付けます。もしハモリ側の方が目立ってしまうようなら、平行ハーモニーにせず、音の動きを押さえた別のハモリラインを考えたほうが良いでしょう。

「アーウー系」でコードを強化

通常のバンドではギターやシンセ(ピアノ等含む)などがコードを弾いていることが多いわけですが、その場合でも部分的に単音でアルペジオを弾いている時などは和音が弱くなります。そんな時にはコーラス側でコードを補います。持続音が少ない時も有効です。

アカペラはコード音をコーラスが担当していますから、このハモり方がメインになります。
“Ha~”や“Fu~”のロングトーンが多いと思いますが、単にコード進行を見せるだけでなく、厚みを出したり、高揚感を出したり、その目的に応じて“音”を変えます。

厚みや力強さ、高揚感などを出したければ母音は『あ』が良いでしょう。『あ』がうるさく感じるようなら『う』に変えてみましょう。また母音の音色には癖があります。“もっと明るく”とか“もっと柔らかく”など、コーラス担当者で音色のチューニングを行いましょう。

「ピチカート系」または 「パッパラ系」でリズムを強調

歯切れよく歌える阻害の強い子音を使ってリズムでハモることができます。 

母音系では厚みは出せてもリズムを出すのが難しいので、子音を使って音の輪郭をはっきりさせます。ドラムのフィルイン風に使用することもあります。アカペラの場合は、リズムにはしたいがあまり強い音は出したくない時もあるので、“Fan”や“Turu”という音もよく使います。

「アーウー系」では音程の切り替わりが不明瞭になります。16分音符など細かい音符で音程が切り替わる時にもこちらのハモリが有効です。

「破裂音系」でベースラインを強化

上手なベースやボイパがいる場合はあまり使わないかもしれませんが、ベースラインに特徴のある曲は、“Bon”や“Bun”や“Pon”の破裂音でベースラインまたはそれに近い動きを見せることができます。

B系音は有声音で重めなので高音(ソプラノ)には向きません。P系はベルトーンにもよく使われ、アルペジオのような動きのあるサウンドにも適しています。破裂音は起音がはっきりしているので、全般リズム向きです。
細かい動きの時は軽めの音、大きめのリズムなら重め低めの音を使うなど、用途に応じていろいろ試してみましょう。

コーラスの付け方のまとめ

通常のコーラスでは、主メロのサポートがメインですが、アカペラのコーラスはそれだけではありません。

  • コード進行(リードのコードガイド含む)
  • リズム
  • ベースライン
  • フィルイン

バンドでなら、ドラム、ベース、ギター、キーボードなどがそれぞれ担当しているものです。
当たり前ですが、声では一度に1音しか出せません。6人なら6音、3人なら3音が上限です。 全部の音をカバーできるわけがない!
そのためには、コーラスの役割をよく理解し、どんな目的で何かを表現したいか明確にしておくこと。そして、必要な音(音符)を取捨選択することが大切です。

ピアノ1台でも、最大で10本の指で10の音が出せるのに、アカペラとはホントに難儀やなぁ(;´д`)
でも 、いや、だから面白い!
そんなふうに思ってくれる人が増えたら嬉しいんですけど。。。
どこまで行っても完璧も完全もないので、今できるベストを尽くすのみですっ!頑張りましょう。

あなたへのおススメ記事



~スポンサーリンク~