アカペラ教室07

初めて自分たちでアレンジをするとき、どんな曲をどのようにアレンジしていいか悩むと思います。
ここでは初心者向け、最初の一歩としていくつかポイントをアドバイスさせていただきます。

アカペラグループの個性はアレンジにあると思います。
「楽器が弾けないから仕方なくアカペラで…」なんていう消極的な姿勢では、きっとつまらなくなります。
どうせならアカペラでしかできないことを追究してみましょう!

そのためには、さまざまなジャンルの曲をたくさん聞いて音楽の基礎とその骨格を学んでください。
いろんな人たちのアカペラアレンジもコピーしてみてください。
最初はシンプルなアレンジから、そして、いずれは独自のアレンジを見つけるようにしましょう。

アカペラは、音楽経験がない人でも始めやすいというところが良い点ではありますが、少しくらいはポピュラー音楽史もかじっておいた方がいいでしょう。関連サイトで簡単にまとめてあるのでそちらも参考にしてください。
 >>>英語で歌えば上手くなる!「ポピュラーミュージックのルーツを紐解く

ここまでの記事をまだお読みでない人は、以下の記事をご覧いただいてからお進みください。



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初心者向けアレンジのポイント

CD

アカペラはバラードのイメージがある人もいるかと思います。ですが、あまりテンポの遅い曲は避けましょう。
歌唱もアレンジも難易度が上がります。まずはミドルテンポでリズムのある曲がおすすめです。
また、最初はキーを変えずに歌える曲が良いでしょう。原曲とイメージが変わってしまうと練習もしにくく、聞く人も聞きづらくなります。選曲に関しては「アカペラの練習を始めるための準備~選曲~」を参考にしてください。

演奏にホーンセクションが入っている曲や特徴的なリフがある曲はコーラスフレーズとして使えるのでアレンジしやすいですよ。
できるだけ個性的な曲、印象的なリフがある曲を選びましょう。どんな曲にせよ、この曲かっこいい!!と思ったわけですから、そのかっこいい部分を声でどのような具現化できるかをよく考えてください。

ベースラインをつくる

ベース

我々PURE VOXのようにベースがいない場合を除きますが、通常はベースラインだけでもコード進行や曲の流れがわかる曲が多いので、まずはベースラインで曲の骨組みを作ることをお勧めします。

そこにボイパが入ればほぼ曲の骨格が出来ます。コード進行も構成もベースが見せてくれているので、コーラスは上物として大きめの音符(全音符や2分音符)を乗せるだけでとりあえずそれっぽくはなります。

“スリーピース・バンド”というスタイルがあります。”ドラム”と”ベース”に”ギター・ボーカル”というのが一般的な構成です。
これと同じで、”ボイパ”と”ベース”、ギターに替わって”コーラス”という構成です。
スリーピース・バンド同様にこれだけで大抵の曲は歌えます。
ただ、ドラム(ボイパ)が不要な曲もアカペラでは多くあると思うので、ベースを中心に据えておいた方が良いでしょう。

このアレンジは、ベースとボイパにかなり依存しているため、レパートリーが増えてくると曲毎の個性が薄れます。
似たアレンジの曲ばかりになると覚える方も難しくなります。ベタのコードハモリだけでなく、徐々に複雑なコーラス・アレンジも加えられるように精進してください。

リズム(規則性)をつくる

ベース単独でもリズムを活かすべきですが、ベースだけに頼らずに、ベースとコーラス、またコーラス内でも音を組み合わせてリズムを作れるようになるといいですね。いわゆる「リフ」と呼ばれるものです。

ギターやピアノの繰り返される特徴的なリフも上手に取り入れてください。演奏通りには不可能でも、音数を減らすなど工夫して、そのモチーフを声で再現してみましょう。原曲の演奏をよく聞いて、使えそうなモチーフを探してみてください。

繰り返しと変化のバランス

人は繰り返されるリズムに意識を奪われる傾向にあります。ですから、ある程度の決まったリズムを繰り返すことが必要です。
ただし、繰り返しもしばらくすると飽きてしまい、今度は無視されてしまいます。フレーズや楽段の変化に合わせて、新たな変化が求められます。リズムは作っては壊し、壊しては作るというのがセオリーです。

例えば、Aというリズムのパターンに、Aを少し展開させたA’というパターン、Bという新しいパターンに同じくB’というパターンがあったとして、「AAAA’ーAAAA’ーBB’BB’」のようなパターンを組み立ててみるということです。

アレンジの最中はなかなか進まないため、次々と変化させてしまうことがありますが、歌うときは案外一瞬です。聞く側にとっても同じです。ですから、極端に複雑にするより、最低限の展開をさせていく方が安定します。

どうしても自分たちで進めきれない場合は、市販の譜面、またはどこかのグループが歌っているものをコピーして、それを土台に部分的にアレンジしていくという方法もあります。市販されている譜面だからといって“いいアレンジ”かどうかは別です。
あらためて吟味してみると、”もっとここはこうしたい”というアイディアも湧いてくると思いますよ。

~注意~
※どこかのグループのものをそのまま拝借する場合はマナーとし許可を得るようにしましょう。
動画などを公開する場合は許可を得るだけでなく、どこかに表記しておくことも忘れずに。アレンジも著作物です。

ストーリー性のあるアレンジ

タイプライター

音楽は絵画のように一瞬で味わうことはできません。3分の曲は毎回3分かかるわけです。その時間的推移の中にある秩序をつかみ取って私たちは音楽を味わっています。
また別の視点から考えた時、3分の曲が実質3分のストーリーであることはまずありません。さらには、人が感じる時間は実質的な時間だけではなく、感覚的な時間もあります。一瞬のような1日もあれば、永遠のような一秒もあるということです。

いろんな意味で、音楽は時間芸術です。音楽という手法で、時間そのものを創造しているといっても過言ではありません。

構成による時間の流れ

歌はAメロ、Bメロ、サビなどいつくかの楽段で構成されていますよね。
曲によって楽段の数は異なりますが、これらが変化することによって曲は進行し、時間も進んでいきます。
それは規則性(個性)が変化していくということです。変化こそが時間の創造です。
アレンジの上でも、時間の流れを見せられるように組み立てていきたいものです。

Aメロで流れている時間とBメロで流れている時間は異なります。
それは物理的な時間だけでなく、心の動きであるときもあります。
ボーカルは、そんな目には見えない時間を生み出さなくてはなりません。それをバック側でもサポートしていきましょう。

メロディーの動きは心の動き

ハートビート

一概に言えることではないのですが。。。
音程の動きが小さいものより大きいものの方が感情の昂ぶりが強く、高揚感があります。

音符の数が多いと、あまり大きく音程を上下させることが困難なため、比較的近い音程で動き、音程を大きく上下させる場合は音符もやや大きめになります。
中には音数が多いにも関わらず激しく音程が動くもの、音数が少ないにも関わらず音程の動きが小さいものもあります。

前者での心の動きは相当激しく感じられますし、後者では穏やかさが感じられる場合と、逆に感情が振り切ってしまいフリーズ状態(放けたような?)のようにも感じることがあります。

心の動きや変化も時間の流れに影響しており、それがメロディーの動きに反映されていることを理解しましょう。

主旋(ボーカル)が何をしているかを無視して適当にコーラスなどをつけてしまうと、たとえボーカルが上手でもそれを全部台無しにしてしまう恐れがあります。また、時間の流れや心の動きがちぐはぐになって、とても落ち着かない曲になってしまいます。

主メロの表情が穏やかでゆったりとした時間が流れているのに、バックのコーラスはせわしなく大きく変化してしまうと全体として聞いたときに聞き手は混乱してしまいます。もし主メロの音符が大きすぎて、バックでもう少し刻みたい場合は、できるだけ音程の動きは小さくするようにしたほうがいいでしょう。

ですが、いつでも主メロとバックを同じ表情にするというわけでありません。あえて主メロを引き立たせるために、バックは相対する表現をすることもあります。ここがセンスの問われる難しいところなんですが(;´д`)

サビなどでは、一緒に高まりを表現しつつも、主メロを薄れさせないための工夫もしなくてはなりません。主メロが大きな音符の時、コーラスは細かい音符を入れたり、主メロの音程が激しく動いているとき、コーラスはメロディアスな動きにしたり…と、一番主張したい表情を前面に出すように心がけると良いと思います。

主メロを潰してしまうようなコーラスはダメですが、部分的にコーラスサイドでの見せ場をつくるようにするとアカペラらしいアレンジが生きてくると思います。

物語としての流れ

ガチンコ

どんな曲の中にも何かしらのストーリーがあります。
映画で例えるとわかりやすいかと思いますが、ロードムービーのような曲、スケール感のあるハリウッド映画のような曲、インパクト勝負のショートムービー、ドラマチックな恋愛映画、経験や心情を語る自叙伝的映画など、そんな歌もあるでしょう。

日常の場面から入るパターンもあれば、いきなりクライマックスから入るもの、過去や現在を行き来するパターンなど様々です。映像監督になったつもりで、その曲の構成からどのような時間的な流れ、物語としての流れがあるか想像してみてください。

アレンジにおいても、繰り返しだけではつまらないですよね。人は変化の乏しいものに集中しておけませんから。
でも、あまりにも複雑に変化させすぎるのも逆効果。心情や場面の変化、ストーリーを感じさせる転回、クライマックス感などを考慮して上手にアレンジしてみてください。

初心者向けアレンジのまとめ

十分に吟味して選曲したなら、アレンジはできるだけシンプルに!
ポイントは以下の通り。

  • ベースラインで骨格をつくる
  • 印象的なリフをコーラスで再現
  • 効果的な規則性をつくる
  • 楽曲構成に即したアレンジ構成
  • メロディー(音符・音程)の動きによる時間や心の変化を考慮
  • ストーリー性を感じさせるアレンジ

シンプルなアレンジでも、曲毎の個性が出せればOK!歌っている自分たちが、その曲を味わい楽しめるアレンジを考えよう(^▽^)/

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